知っておいて欲しいこと

みなさんの手元に渡ったサケの卵は、サケのお父さんお母さんが自分の全生命をかけて産んでくれた貴重な命です。卵を産んでまもなく、サケのお父さんとお母さんは死んでしまいます。ですので、みなさんに渡った1つぶ1つぶの卵が、どれもサケのお父さんお母さんが大切にのこしてくれた命です。みなさんは、その卵の親代わりです。ぜひ、子どものように大切に育ててあげてください。

 

育てたサケは、川にかえします

残念ながら、みなさんに育ててもらったサケは、3月上旬には川に返してあげなければいけません。サケにはその後、川を渡り、海を渡らなければいけない使命があるからです。ですので、3か月という短い間ではありますが、みなさんの家族のように大切に育てて頂けたらと思っています。いつか別れが来る事は寂しい事ですが、サケがみんなの元で育ててもらえてよかったと思えるよう、約3か月の育成期間を大切に過ごしてください。

 

保護者・学校関係者の方へ

今年度、私たちは「命の共育」をテーマに取り組んできました。「命」という広く、深いテーマは、一定の正解があるわけではなく、一概に子どもよりも大人の方が長けていると言えるようなテーマでもありません。大人が子どもから教わる事だって少なくないと思っています。

 

大人はすぐに答えを出したがるように思います。しかし、「命」というテーマを扱う上では、無理に答えを出さずに「命」と向き合い続けるという事が、子どもにとっても大人にとっても大切な事なのではないでしょうか。

 

卵からふ化したサケを愛でる事。死んでしまったサケを悲しむ事。サケのち魚を放流する際に別れを惜しむ事。遡上するサケを見て自然の厳しさを知る事。産卵の後に子どもの顔も見ずに死んでいくサケを想い、命のバトンを繋ぐ事の尊さを感じる事。そのひとつひとつの出来事に対して、感じ方はそれぞれだとは思いますが、大人が納得させるような答えを与える事よりも、そこで子どもたちが感じたひとつひとつの感情を尊重してあげる事に、大きな意味があると私たちは思っています。

 

今回のサケの育成の中で、どうか子ども達が持つ無限の想像力を摘む事なく、時にサケの家族

のような立場に立ち、時にサケ本人の立場に立ち、生命の体験を存分に味わわせてあげ

てください。そして、1つの命の尊さを学ぶ機会として活かしてもらえたら幸いです。